新卒・転職市場が盛り上がり就職・転職希望者が増加すると採用担当者の残業が増える

採用活動経験がない人は「採用っていい立場だよな。面接してみたい」と

思っている人もいるかもしれない。これは実際に友人・職場の同僚からも言われた事がある。僕は社会人経験の中で兼任の期間が多かったが、10年程度会社の採用活動に関わっている。そこでここ数年ずっとモヤモヤしていた事を書く。

 

■「働き方改革」に無縁の職種

 

応募者は基本的に個人で、学生、会社員が多い。

面接はこちらから候補日を送るが、基本は彼らの都合に合わせる必要がある。

新卒採用であれば業務時間内で行う事が多く、

中途採用になると応募者は普段働いている為、仕事が終わってからの時間帯

平日19~20時開始・土日祝日に選考を希望される方が多い。

 

ここ最近は会社全体での残業時間は減少傾向で、応募者には「残業は月10~20時間程度です。」とアピールしている自分が残業時間の平均を高くしている。採用に関わっている人間とリーダークラス以外は確かに残業は少ない。

 

新卒・中途問わず年間で2桁以上の人数を採用する企業の人事は比較的忙しいが、表面上は白鳥のような優雅な振るまいが必要になる。疲れている印象を見せたりすると学生からの印象は悪くなり選考辞退に繋がりかねない。

 

採用専任時代の2~5月位は平日はほぼ終電、土日は全国主要都市に採用出張を繰り返し残業が100時間を超える状況が続いた。今は出張に行かなくてもSkypeなどで面接を行う企業も増えているので一部効率化が図れてきていると思う。

 

新卒・中途採用を兼任することになると春先は必然的に残業、休日出勤が発生する事になり、今の売り手市場で残業を減らす事を優先していれば、優秀な人材は他社に奪われる事になる。採用活動の機会損失は経営層から見れば経営計画にズレが生じ、業績低下にも繋がりかねない。

 

中小企業の場合、採用業務は経営直下の立ち位置で活動するケースも多く、経営者自らが採用説明会を行う事も増え優先度の高い業務になる。特にエンジニア職など専門知識のある人達の採用を中心に行う企業であれば尚更だ。これらの職種は求人倍率が5倍以上もあるらしく、在職中の人達は平日に面接する事が難しい人が多く休日出勤が求められる。平日に代休取得できると良いのだが、他の仕事と兼務をしてたり、面接の日程次第で状況が変わってくると思う。

 

■応募者は無責任?

 

採用業務でストレスに感じるのが、休日の午後に面接指定をして当日になって無断欠席をする人の存在だ。人材紹介経由であれば無断欠席はほぼないのだが、求人広告経由だと発生する。面接の為にプライベートの時間を削って出社するにも関わらず候補者は来ない為、ぶつけようのない怒りの感情が出てしまう。自分一人で行う面接なら良いが

同席予定者がいるとスケジュールを調整してもらったのに申し訳ないと感じてしまう。

よく他人事のように魅力のない企業が悪いと言う人がいるが、良い悪いの問題ではなく社会人であれば連絡をしっかりする必要性はあると思う。

 

数年前から求人広告の業界でも求職者の無断キャンセルが問題になっているようだ。同業の企業に訪問する際、採用の話題が良く出るがやはり無断で来ないケースは増えているとの事だ。傾向として第二新卒を中心に掲載している広告では無断欠勤の応募者が多いらしい。

 

広告企業も対策として選考を無断キャンセルをした登録者が出た場合、広告掲載企業はその旨を報告でき、同じ求職者が数回繰り返すと退会させる仕組みができているらしい。企業からお金をもらってサービスを運営している立場としては信用問題に関わるようで追加した機能のようだ。

ルールを強化した所で飲食店の予約しても当日来ないケースとあまり変わらず自分達で対策を考えていくしかないと思う。

 

■採用の仕事にも当然やりがいもある。

 

ネガティブな記載が多く書いてしまったが、採用業務は組織が拡大していく事が直に分かる。これは責任も感じるが一つの成果と実感しやすい。個人のスキルで言えば、中長期的な視点、仮説思考、周囲を巻き込む力が身に付くから他職種での仕事にも非常に活かしやすい。予算を使う仕事でもある為、コスト感覚も身に付く。

 

ただ経験して感じたのは新卒で採用に配属されると高飛車になる人が多いので、他職種で業務経験がある人の方がバランスが取れて良いと思う。