新人向けプログラミング研修で実感する各社の採用力

 

4月も最終週になり、新入も慣れてきた時期だと思う。

僕がいる会社では研修事業があり、毎年プログラミング研修を2~3ヶ月程度行っている。受講者は他社の新入社員、第2新卒が中心だ。

 

プログラミングを知らない未経験者の人が多く、学生時代に情報系の大学やゲーム系の専門学校に出てる人はC・C++Javaなどを授業で習ったという人が一部いる。昔は男性中心だったが、ここ数年で女性の割合が増えている。

 

複数の企業の新人が集まるとその会社のカラーと採用基準が少し分かる気がする。

情報系・専門卒などプログラミング知識のある人しか採用しない企業もあれば、

人物重視で国籍問わず未経験者を受け入れる企業など様々でほとんどが派遣企業だ。

 

外部研修のメリットは自社内の研修と違い、教える事を専門としたエンジニアが講師と努め、ソフトウェア開発に必要な基礎知識を体系的に学ぶ事ができ、様々な企業の新人と切磋琢磨しながら働く意識を高める事ができる点だと思う。

 1~2名しか採用しない中小企業にとって外部研修機関は助成金が使えるメリットがあり、負担を少なく発注できる為、重要な育成の場になっているようだ。

 

■ここ最近増えてきた新人の特徴 

・日本語理解が怪しい。文章を読み飛ばす?読めない?

・ネット情報が正しいと信じ、間違った理解をする

・質問ができない。何も調べず、答えをすぐ求める

・仕事の成果を出す為の勉強はしない。業務中に行うものと考えている。

・他人評価はする(良く見てる)が、自分の評価をされるのを嫌う

・会社の飲み会など業務とは関係ないイベントは意外と前向き。

 ←ネットだとかなり否定的な意見が多いが、実態は違うらしい。

 

理解力があり、頭の回転が速い優秀な層と素直さ、理解度が低く、責任感に欠ける下位の層の格差が激しく、中間の人が減っているのを実感する。中間層は大手に採用されているのだろうか。研修会社では、景気が良くなり採用が苦戦している企業が多くなると新人の特徴にも記載した項目が多く当てはまる下位層の人材が多くなる。

 

 

 

  ■採用ノルマを無理矢理クリアしようとする企業は痛い目にあっている

 

新卒向け研修では苦労が尽きないのが例年の事だ。例年、顧客にあたる企業では採用ノルマを達成する為、求めている人材基準のハードルを下げ採用して事業を伸ばそうと必死に業務に取り組んでいる。

僕の会社は採用人数が増えれば受注という形で恩恵を受けるのだが、研修受け入れ後が大変になる。

 

何となく入社した部類の人達は、研修のレベルが上がり始めると自分には無理と退職を匂わせたり、泣いてしまったり喜怒哀楽が激しくなる。僕らは仕事上扱いになれている為、上手くコントロールして成長まで持っていく事ができるのだが、

所属企業でコントロールできる人がいないと1年以内に退職するケースが多い。

 

ある企業のAさんは外国籍の方で日本語の理解が追い付かないレベルで研修に来た。雑談はできるのだが、資料に書いてある日本語が理解できない為、どのような処理を実装したら良いかなども当然理解できない。自分のミスを認めない文化なのか講師が状況を確認しても本人がごまかす為、進みが非常に遅い。言葉が通じない為、ストレスしかないと思う。この企業は研修が終わった後、日本語がまともにしゃべれない新人を企業へ派遣させることに疑問を感じるし、研修を受けているAさんが気の毒で仕方がない。

 

自社の新卒採用に関わる事はなかったが、新人達が入社して別の部屋でプログラミング研修を受けている。昼休みはほぼ学校の休み時間状態で午後になると緊張感が切れ、研修中でも寝る人が出ているらしい。毎年このように学生気分が抜けない人材を配属できるレベルまで育成する教育担当者の器の大きさには感謝をしたいと思うし、採用担当には無理して採用する事で配属先が混乱する事は知ってほしいと思う。